今月のおすすめ食育絵本【1月】

2021.01.11 食育

新年を迎え、おせち料理やお雑煮など、1月は日本独自の食文化に触れる機会が多い時期でもあります。

子供たちに、伝統的な食文化を伝え、経験させるということは、大変有意義な食育です。

そこで、今月のおすすめ食育絵本は「食文化」をテーマにした絵本をご紹介したいと思います。

*「おもちのきもち」

かがくいひろし・講談社
お正月には、鏡餅を作って歳神様にお供えするのが習わしです。

神棚にお供えされた鏡餅は、1月11日になると「鏡開き」といって、小づちなどで開かれ、お雑煮やお汁粉、おかきなどにして食べ、一年の無病息災を願います。

この絵本は、おもち目線でお話が描かれているのがとてもユニークな一冊です。

杵と臼でペッタンペッタンおもちをつくところから始まります。

やっとおもちになれたかと思ったら、のし棒で伸ばされてのし餅にされたり、色々な味付けをされて食べられてしまったり…。

そんな兄弟の姿をみていた鏡餅。今は大事に飾られているけれど、自分もいつ食べられてしまうかわからないとおびえ、考えついたことのがなんと…逃走‼

鏡餅にまさかの足が生え、床の間から逃走する様子は、とても愉快です。

全力疾走した鏡餅は、おなかがペコペコになってしまい、なんと今度は自分の味見をしてしまいます。

あまりのおいしさに止まらなくなり…

昔と違って、改めて鏡開きをする家庭も少ないと思いますが、この絵本を機会に日本独自の鏡餅や鏡開きの風習を教えてあげるのもいいですね。

*「おばあちゃんのえほうまき」

野村たかあき・佼成出版社
お正月が明けると、次は節分の季節がやってきます。

節分といえば、豆まきに恵方巻。

恵方巻は、元々は関西地方の風習だったとされており、その年の縁起の良い方角(恵方)を向いて、おしゃべりをしないで太巻き寿司を食べると福がやってくるという言い伝えがあります。

なぜ太巻き寿司を切らずに食べるのかというと、福を「巻きこむ」ように、縁が「切れない」ようにとの願いが込められているからといわれています。

この絵本は、年中さん位からのお子さんにおすすめです。

主人公のきりちゃんのおばあちゃんは、一年の節目節目で様々な伝統料理を作り、きりちゃんに食文化を教えてくれます。

恵方巻の作り方も、子供でもわかりやすい文章で書かれているので、イメージがわきやすいと思います。

食卓に家族が揃った時に、お父さんが恵方巻のお話をしてくれたり、おばあちゃんが福豆のお話をしてくれたりと、この絵本は、節分という風習の理解が深まる一冊です。

*「おべんとうばこのうた」

さいとうしのぶ・ひさかたチャイルド
♪これくらいの おべんとうばこに おにぎり おにぎり ちょいと つめて…♪

わらべうたでおなじみの「おべんとうばこのうた」が絵本になった一冊です。

作者は「あっちゃんあがつく」や「しりとりしましょ」など、子供たちに人気の絵本を多数手がけている、さいとうしのぶさんです。

擬人化されたおにぎりやおかずたちが、うたに合わせながらお弁当箱にやってきます。

ニコニコ、愛嬌たっぷりの食べ物たちは、見ているだけでも楽しく、ついつい食べたくなってしまいそうです。

この絵本は、わらべうたがもととなっているので、歌のリズムに合わせながら読み聞かせしたり、子供と一緒に歌いながら読んだりするのがおすすめです。

実は、お弁当は日本独自の食文化の1つで、近年では、その美しさや実用性などから、海外からも注目を浴びています。

日本では当たり前のお弁当ですが、伝統的で立派な食文化です。お弁当が大好きな子供は多いと思いますが、この絵本は、子供たちがますますお弁当が好きになりそうな一冊です。

鏡餅に恵方巻、お弁当…どれも素晴らしい日本の食文化です。

ぜひ絵本を通して、子供たちに日本の食文化の素晴らしさを伝えてあげてくださいね。