フィンランド式幼児教育   

2020.12.03 モンテッソーリ教育

近年、注目を浴びているフィンランドの幼児教育。注目を浴びるきっかけとなったのは、2003年の学習到達調査に於いて、優秀な成績を収めたことです。 

人口の少ないフィンランドで成績優秀な子どもが多く輩出される理由に世界は注目をしました。 

【フィンランドの幼児教育施設】 

フィンランドの家庭事情は、共働きや片親など様々です。これは日本と変わりないですね。 

子どもを預ける施設は半日や終日など選択でき、親の就労に関係なく入園可能です。 

そして日本のように保育園と幼稚園で分かれていないことが特徴です。保育園は0歳~5歳を対象としています。6歳になると就学前教育を得ることが出来る施設に移行します。 

ここで、小学校入学前に学びの準備が出来るのです。 

フィンランドでは、2013年度から教育文化省が幼児教育の管轄を始めたので、より学びに対する国民の意識は向上しつつあります。 

日本では保育園は厚生労働省、幼稚園は文部科学省と管轄が分断されており、平等な教育とは言い難い事情がありますが、さすが福祉大国ともいえるフィンランド。国民が一丸となって子どもの教育に熱心であることがわかります。2017年度からは幼児教育に於いて、新ナショナルカリキュラムが実施されることとなりました。 

 

【新ナショナルカリキュラムとは】 

日本の幼児教育は5領域ですがフィンランドのナショナルカリキュラムは6領域あります。 

  1. 考える力と学びにつながる学び 
  1. 多様な文化を理解する、表現する力 
  1. 他者を大切にしながら日々を生きること 
  1. マルチリテラシー 
  1. ICTスキル 
  1. 社会への参加、持続可能な未来の構築 

以上の内容です。 

ちなみに日本の5領域は・・・ 

  1. 心身の健康に関する領域(健康) 
  1. 人とのかかわりに関する領域(人間関係) 
  1. 身近なかかわりに関する領域(環境) 
  1. 言語の獲得に関する領域(言語)) 
  1. 感性と表現に関する領域(表現) 

以上の内容です。 

これを見てわかるように、日本の幼児教育の具体のなさが理解できます。 

子どもは健康に言葉を理解し、人と関わりながら自己表現が出来ればよいのです。 

しかしフィンランドの6領域では、多様な価値観の理解や他人への尊敬を表しながら、自己表現をし、未来への構築を担う人間を育てるという深い内容になっています。 

いかに幼児教育に重点を置いているかがわかります。ICTも幼児から導入とは恐れ入ります。 

【園の一日】 

保育時間は朝9時~17時。 

課題を先生が子どもに与えます。その課題にについて、子どもが少人数のグループに分かれ、課題解決に向けてグループワークを行います。 

グループワークではタブレットなどの使用も可能です。どの部屋でミーティングをしても良いことになっています。 

最後はプレゼンテーションを行います。 

日本の幼稚園や保育園ではその日のカリキュラムを先生が決めて、先生の指示で皆同じ事を同じ場所でします。 

子どもの意志はありません。大人ありきで動きます。幼児期から主体的学びが確保されていることに大きな違いがあります。 

学ぶ意欲の育成では圧倒的にフィンランドが高いですね。 

 

【まとめ】 

フィンランドの教育は国際バカロレア、レッジョエミリアに近いと筆者は考えます。 

主体的な学びをこの2つの教育方法から得ているのではないでしょうか。 

また、 フィンランドでは読書の時間も徹底しています。図書館の多さも日本とは比較になりません。子どもは幼児期からたくさん本を読みます。テレビ番組にも字幕がついているので、テレビを観ながらも国語力を身に着けることができるのです。 

学ぶ意欲と国語力を幼児期から身に着けることのできるフィンランド。学力の高さも納得です。日本は教育格差がいまだに存在し、保育園と幼稚園も統合されないまま。 

このままでは、日本の未来が心配になってきませんか?