子どものものの捉え方の発達 

2020.12.02 赤ちゃんのあれこれ

今回は、子どもの認知発達についてお話しようと思います。 

1歳までに、運動機能の発達はみるみる発達を遂げて早い子では、立って歩いている子どももいます。感覚的な認知発達についてはどうなっているのか、わかりやすくお話します。 

 

1. 感覚的な認知発達 

幼児期になると、子どもは目に見えないもののイメージを持つことができるようになります。 

 

例えば、積み木をバスやケーキに見立てて遊べるようになるのです。また、寝たフリをしたりごっこ遊びができたりします。 子どもは、今は目の前にないものや事柄をあるかのように振る舞えるようになります。 

 

絵の具が溶けている水をジュースではないと知っているけど、ジュースだと思ってしまうように見かけに惑わされるは3歳頃に多く見られます。  

 

反対に、現実に惑わされるために見かけについて正しく反応できないというのは、4〜5歳頃に多くなります。 

机の脚を放射状に出して、4本全部描こうとすることがあります。今見えている椅子をそのまま描くことが難しく、知っている椅子のイメージを描いてしまうため、脚が4本放射状に出てしまうのです。 

 

2. 2歳〜4歳頃まで 

2歳を過ぎると、ごっこ遊びが盛んになってきます。例えば、葉っぱをお皿、砂をご飯、木の切れ端をお箸などに見立て、自分がお母さん役となってままごと遊びをすることができるようになります。 

自分は本当はお母さんではないけど、お母さんはこんなふうだとイメージ持ってその役割をします。お皿やご飯も一緒で、葉っぱと砂はお皿やご飯ではないけど、そう思うようにして遊べるようになるのです。 

 

また、この時期は、犬といっても自分が知っている犬を思い浮かべていて、他の種類の犬や他の特徴を持った犬を思い浮かべているわけではないのです。 

 

絵を描くことにも特徴があります。殴り書きをして電車といったり、ネコといったりします。イメージの急速な発達を遂げており、自由な発想でその殴り書きを自分のイメージするものに見てているのです。 

 

 

3. 4〜7・8歳頃 

言葉が使いこなせるようにようになって、ものを分類したり関連付けることができるようになってきます。でも、当然まだ直感的な傾向があります。同じ量や数、長さや重さであっても視覚的な違いによって誤った判断をします。 

 

例えば、同じ容器の中に同じ量の水を入れて、子どもに同じであることを確かめた後に、一方の容器の水を細長い容器に入れ替えるとこっちのほうが高いから量が多いと答えます。このように、 視覚的な見かけに騙されてしまいます。 

 

また、この頃は、みかんとりんご、ネコを犬、三輪車と車などものの名前を2つずつ挙げて、似ている点を答えさせると、色・形・部分的に似ている点を挙げる幼児が多いのです。 

 

発達段階を研究していたピアジェという研究者は、バラの分類の発達を検討していましたが、 バラと他の花とを分類できるようになるのは、5〜7歳頃であるとしています。それ以降になると、色の違いなどによって色々なバラを区別できるようになると考えました。 

 

絵に関しては、この頃の絵は図式化されたような絵を書きます。実写的ではなく、持っているイメージで描いていきます。太陽は、お天気が良いことを示し、紙の上の方に書かれます。また、 人を描くときに頭と胴体が分離した絵は4歳頃から描かれることが多いです。それまでは、丸を描いて顔と胴体が一緒になって手足がその丸から出ている絵が多いです。 

 

まとめ 

このように、子どもは自分の中のイメージを持って遊んだり絵に描いたりしますが、その様子を年齢を重ねるごとに複雑化していきます。でも、 まだまだ見かけに左右されることが多く、ものや事柄を正しく捉える力はこれから発達していくのです。 

 

絵一つとっても、発達段階によって描かれる絵が違いますね。その都度、何を描いたか聞いて写真に撮っておくと興味深いコレクションができるかもしれませんよ。 

 

 

 

【参考文献】 

「発達心理学」保育士養成講座編纂委員会編 全国社会福祉協議会  

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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