レッジョエミリア教育について
2020.12.10 モンテッソーリ教育1946年、北イタリアの小さな町「レッジョ・エミリア」で、第二次世界大戦後のがれきの中からの復興を目指した親や町の住民、専門家が一体となって自分たちの町に素晴らしい幼児教育施設を立ち上げようとした運動がレッジョ・エミリア・アプローチです。
レッジョ・エミリアが町の名前であることを知っている方は少ないでしょう。
モンテッソーリ教育やシュタイナー教育は人物の名前から、その教育法が確立されているので。
しかし、町全体で教育法を確立するとは・・日本では考えられないですね。
おそらく、町の人々が教育に対して非常に熱心であったと想像できます。
そして今では、世界各国で、この教育法を導入しています。
日本の保育園や幼稚園でも、レッジョ・エミリアを導入しているところは少なくないです。
レッジョ・エミリアを唱っていない園でも、その教育手法のエッセンスを取り入れているところを筆者も見たことがあります。
では実際にレッジョ・エミリア・アプローチとは、どのような教育法なのでしょうか。
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自主性と協調性を育む
レッジョ・エミリア・アプローチでは一つの作品を数か月かけて完成させます。
作品を制作するにあたり、誰がどのように作るのか、グループか個人か・・どのような作品を制作するか、材料の調達方法などを子供たちがグループで話し合い決定します。
教師や、それを見守る役目となります。余計な口出しはしません。
グループワークを行うことにより、子どもは自分の立ち位置を見極め、意見を出しながら、協調性を育むことができる。というわけです。
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創造性を育む環境つくり
教室内は、子どもの創造性を育む環境が設定されています。
アトリエ専門家と幼児教育専門家というプロのスタッフを配置し、子どもと創造的活動を行います。アトリエも設置され、子どもが自由に創作活動を行える環境となっています。
子どもの創造活動には自然物を多用し、自然をリスペクトする心も養います。
プロジェクターやライトなども効果的に使用し、美術的な感覚も養います。
環境つくりというところは、筆者の専門とするモンテッソーリ教育と通ずるものがあります。
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ドキュメンテーション
子どもたちの会話や創作活動に至るまでの経緯、教師とのふれあいなどをドキュメンテーションにして、動画や写真で残し、それをパネルにし掲示をすることも取り組みのひとつです。このドキュメンテーションは、ときには町全体で行い、町内の人々がいつでもそれを見られるよう公開することもあります。
日本では考えられないですね。子どものプライバシーが町中に広まるのですから。
しかし、町全体で子供を育てようという意識の高いレッジョ・エミリア地域ならではの取り組みで、日本もいつかこのような町作りが出来るとよいですね。
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アクティビティー
読み書き算数などのアクティビティーは基本的には行わず、アートが中心の活動になります。
レッジョ・エミリアでは、子どもの制作過程を大切にするので、目に見えてわかる読み書き計算よりも感じることに主軸を置いたアートが中心なのです。
例えば〇をテーマにした課題から派生して様々な事象に興味を持つという自然発生的な課題を子どもに与えていきます。
多くの自然物、木の実、小枝、葉、花、砂など身近なものが創作活動の材料となります。
ある課題から、材料までを見つけることで、身近な事象に興味をもつように工夫されています。
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まとめ
筆者は先述の通り、モンテッソーリ教育を専門としています。
しかし、レッジョ・エミリア教育とモンテッソーリ教育にはいくつかの共通項があります。
例えば環境作り、教師は見守るなどです。
モンテッソーリもレッジョ・エミリアも同じヨーロッパ発。
教育のアプローチは違っても、自主性を育て、協調性を養う真髄は同じであると感じます。
子どもの豊な心の育成のために、レッジョ・エミリアアプローチの導入が日本の多くの園で必要であると考えます。