赤ちゃんは自分と他人の区別がついていない!

2020.12.09 赤ちゃんのあれこれ

生まれたての赤ちゃんは、まだ自分と親の区別がついていません。「ええー、そうなの?!」と、びっくりしている方もいらっしゃると思います。区別がついていないというよりは、自分や他人ということを意識していないという方が正しいかもしれません。 自分は他人とは違う存在なのだということは、親の接し方やコミュニケーションを通して理解していきます。今日は、赤ちゃんの自分と他人の区別についてお話しようと思います。 

 

1. 親の接し方で自分と他人を区別することを促す 

親は赤ちゃんが小さい頃から一人の人間として、丁寧に接しています。親の働きかけに赤ちゃんが喃語(あーあーやうーうーなど)を発したり、手足を動かしたりしたとき、あたかも赤ちゃんと意思が通じたかのように「ああ、そうなの」「そうね、嬉しいのね」などと対応していることがよくあると思います。このような働きかけによって、赤ちゃんをが自分と他人の区別することに導いて、成長を促す効果があるのです。 

 

2. 共同注意(共同注視) 

ここで、赤ちゃんの自分と他人の区別に関係する 「共同注意(共同注視)」についてお話します。親は赤ちゃんの注意を引こうと話しかけます。赤ちゃんは、親が自分に何か興味深いことを伝えようとしていることに気が付き(おもちゃや絵本を見てごらんということ)、親の注意に同調する(おもちゃや絵本を見る)ことで、次の新たな働きかけを呼ぶ(親がおもちゃで遊んで見せたり絵本を読んだりすること)という点で、自分と他人との区別をするために不可欠な能力とされています。 親が注意を向けているものに、自分もその方に視線を送り、2人で同時に同じものを見るという行動です。 

 

この行動についての研究がなされた当時、円滑なコミュニケーションのために必要な他人の視覚についての知識であると、画期的な捉え方とされ注目を浴びました。これは、 左右どちらに対象物があるかわかるレベルの生後6ヶ月頃から始まり、徐々に複雑な位置関係がわかるようになっていきます。 

 

このように0歳までの赤ちゃんは、小さい頃から身体的に自分という存在に気が付き、親などの他人との関わりの中で自分と他人との区別をつけていきます。 でも、まだ客観的に自分を意識できているわけではないのです。 

 

2. マークテスト 

1歳以上にならなければ、客観的に自分を認識できないと言われています。それは、「マークテスト」という鏡を使った課題によって、自分という認識があるかどうかを観察することができます。 

 

子どもに気が付かれないように、子どもの鼻の頭に口紅をつけます。そして、鏡の前に連れてくると、1歳半以上の子どもだけが鏡に映った姿が自分であると気が付き、鼻に塗ってある口紅を拭おうとするのです。 この他に、同じような課題として、鏡に映った自分の頭上におもちゃが見えるようにしたときに、おもちゃに気がついて振り向くかどうかを見ることでもわかります。 

 

こうして自分が認識できるようになると、他人に関しても確かな認識を持っていきます。 1歳に近づくと子どもたちが他の子どもを慰めたり、反対にいじわるをしたりするようになるのも、相手の感情の動きに気がついている証拠です。 

 

 

まとめ 

赤ちゃんは自分と親や周りの人との区別がついていない状態なのですね。自己の認識がない状態から始まって、 親の関わりやコミュニケーションを通して、自分と他人の区別をつけていくのですね身体の発達とは違って、普段は意識が向きにくく見えにくい自己と他人の認識。興味がある人は、実際にマークテストやおもちゃの課題をやってみるといいでしょう。かわいい仕草が見られるかもしれません。