【第2弾・卒乳】「いつ卒乳するか決めないとダメ?」 

2020.11.11 赤ちゃんのあれこれ

第1弾からの続きです。親が卒乳を考える1歳〜1歳半頃の卒乳の理由の考え方⑤〜⑨について紹介します。 

 

⑤ 周囲から「まだ母乳を飲んでるの」というプレッシャーがあるから

実家の親や周りの友人、同僚などから「まだ母乳を飲んでいるの」と批判的に言われることがあるようです。その言葉には、「しつけや虫歯、栄養のない母乳を与えることは、子どもに良くないからやめたほうが良い」 というメッセージが添えられていることが多々あります。 

 

こレラの言葉をプレッシャーと感じているお母さんは、もう少し母乳を与えたいと思っている方が多いのではないでしょうか。また、母乳にはいつの時期でも適切な栄養が含まれていることもご存知なのかもしれません。 「この子は私の子どもだから、私の考えるように育てる」と、自分の考えを大切にしてほしいものです。 

 

おそらくこのように、もう少し母乳を与えたいと思っているお母さんは、子どもが自然に飲まなくなったらそれで「卒乳できた。良かった」と思える方であり、決して無理やり母乳を与えているわけではないと思います。それでも、卒乳をした方が良いのではないだろうかと不安になる気持ちもありますね。 お母さんも納得した上で卒乳を考えましょう。 

 

 

⑥ 次の子どもがほしいから 

次の赤ちゃんがほしいと考えている場合には、卒乳を進める方も多いでしょう。 母乳を与えていても妊娠する方もいらっしゃいますが、条件的に卒乳しておく方が良いと考える医師も多くいます。そのときには、無理のない方法で卒乳を進めると良いでしょう。 

⑦ 復職するから 

子どもが成長してきて、そろそろ仕事に復帰しようかと卒乳を考えるお母さんも多いですね。 

復帰時期に合わせて計画を立てると良いでしょう。または、「部分的な卒乳」として、仕事でない時間は母乳を与えるという方法もあります。 

 

子どもはお母さんからしか母乳をもらえないことがわかっています。保育園や他の大人で世話をしてもらっている時間は、必要時ミルクや搾乳を与えます。その時間は、子どもも母乳がないことが理解してそれなりに過ごします。 仕事が終わって少しでも母乳を与えたいと思い、子どもも欲しがるようならそうしてもいいのです。

 

⑧ しつけ上良くないのではないかと思うから 

1歳半にもなって母乳を与えていると、「甘えん坊になってしまうのではないか」「自立できなくなるのではないか」と心配する声があります。母乳が原因でそのようになることはありません。「甘えさせること」と「甘やかすこと」は別物です。 

 

この時期に親に甘えて、愛情を感じられる体験をした子どもは、成長していく上で自己肯定感が高くなり、生きていく力や自立心が育つと考えられています。親や大人の愛情を感じられ、大切にされたという体験をしていないと、「自分は大切な存在である」ということを感じられず、自己肯定感が低い大人になると言われています。できることを先回りしてやってあげる、やりたいと思うことを妨げるような手助けは「甘やかすこと」です。これを区別して考えましょう。 

⑨ 虫歯になると思うから 

「母乳を与えると虫歯になる」といった短絡的な情報を見ることがあります。虫歯は、歯の表面に残っている食べ物の汚れかすが原因になります。そこに 母乳だけでなく、ミルクやジュースなどが加わると虫歯になる可能性があります。 

 

虫は、歯の表面の食べかすの問題ですので、母乳だけをやめたら虫歯にならないというわけではありません。1歳半にもなると食欲もあり、間食もすることでしょう。その間食に甘いものやお菓子を食べて、歯磨きをせずにいると虫歯の原因になりやすいのです。 

 

また、しょっちゅう砂糖入りのジュース(果汁100%でも注意です)を飲む習慣があるといったことも歯にはよくありませんね。 夏に熱中症予防のためにポカリスエットのような飲料をお茶代わりに飲ませていると、それも虫歯には良くないのです。 

 

夜に寝るときには唾液の分泌が減りますので、口の中が渇いて虫歯の原因になります。唾液は、口の中の洗浄の効果があります。 虫歯の予防には、寝る前の歯磨きをきちんとして、歯の汚れを取っておくことが大切です。要は食習慣や歯磨きの習慣の問題ですね。 

 

 

まとめ 

一般的に、1歳〜1歳半頃に卒乳するのがよいのではないかと考えられる理由を挙げて、それをどのように考えれば良いのかという説明を加えました。子どもの成長を見ていて、もう卒乳しても良さそうだと考える場合や、「仕事を始める」「次の子どもがほしい」などの明らかな理由がある場合は、その気持ちにそって卒乳を進めると良いでしょう。 

 

でも、 周りからのプレッシャーやしつけに良くないなどの理由では、必ずしも卒乳すべきと考えなくても良いのではないでしょうか。なぜ今卒乳するのかということを納得してから卒乳を進めると良いと思います。無理なくできるといいですね。 

 

 

 

【参考文献】 

「平成22年乳幼児身体発育調査」 厚生労働省  

https://www.mhlw.go.jp/toukei/list/dl/73-22-01.pdf