子供に伝えたい和の食事マナー【嫌い箸編】
2020.11.09 食育私たちの住む日本には、古くから独特の文化が根付いています。
食文化もその1つ。
和食は五感を使って味わう料理ともいわれています。
和食の特徴として、箸を使って食べることが挙げられます。
日本人にとって箸は食事に欠かせない道具ですから、きちんとした箸の持ち方を子供に身につけさせることもしつけの1つとされています。
しかし、国の調査によると、箸を正しく持つことができる人は少なくなっているそうです。
「人差し指と中指で上の箸、薬指の先と親指の付け根で下の箸を持ち、上の箸だけを動かす」のが正しい箸の持ち方です。
いかがでしょうか?
きちんと箸、持てていますか?
箸はシンプルでありながら、たった一膳で様々な食の動作がこなせる大変優れた道具です。
日本の食文化の象徴でもある箸。
正しい持ち方、使い方を親子で見直してみましょう。
子供の箸のトレーニング用には、「トレーニング箸」「しつけ箸」という商品もあるので、こういったものから箸のトレーニングを始めるのもよいかもしれませんね。
さて、箸遣いには、様々なマナーがあるのをご存知でしょうか?
「箸でお皿を引き寄せてはいけない」とか、「挟み合ってはいけない」など…。
なんとなく知っているものもあると思いますが、中には、マナーと思ってしていたことが実はタブーだったなんてこともあるようです。
「三つ子の魂百まで」という言葉があるように、子供の頃に身についた習慣は一生の習慣となります。
子供のうちから、持ち方とあわせて、正しい箸のマナーを身につけさせてあげることも大切な食育です。
今回は箸のマナーの中から「箸遣いのタブー」についてご紹介しますので、参考にしてみてくださいね。
◎箸遣いのタブー「嫌い箸」
してはいけない箸遣いのことを「嫌い箸」といいます。
(1)握り箸…2本の箸をまとめて握る持ち方。
「攻撃」を意味する。
(2)持ち箸…箸をもったまま食器を持つ。
(3)受け箸…箸を持ったまま、おかわりを出す。
(4)落とし箸…箸を落とす。
(5)移り箸…一度取りかけたのに、別の料理に箸を移す。
(6)迷い箸…どれを食べるか迷い、箸をウロウロさせる。
(7)探り箸…料理を箸でかき回し、食べたいものを探る。
(8)空箸…箸で取ったのに口に運ばないで戻す。
(9)横箸…2本の箸を揃えて、スプーンのように使う。
(10)膳ごし…奥の皿を手で取り寄せないまま、箸で取る。
(11)直箸…取箸を使わず、自分の箸で料理を取り分ける。
(12)涙箸…箸先から汁をポタポタ垂らす。
(13)寄せ箸…箸で食器を手前に引き寄せる。
(14)指し箸…箸を料理に突き刺して食べる。
(15)掻き箸…食器に口を当て、料理を掻き込む。
(16)込み箸…料理を頬張り、箸で押し込む。
(17)すかし箸…魚の裏側の身を骨越しにつついて食べる。
(18)洗い箸…お椀や湯飲みで箸を洗う。
(19)振り箸…箸についた汁を振り落とす。
(20)叩き箸…箸で食器やテーブルを叩く。
(21)渡し箸…食器の上に箸を渡す。
(22)指し箸…箸で人のことを指す。
(23)ねぶり箸…箸についたものを舐める。
(24)もぎ箸…箸についたご飯などを口でもぎ取る。
(25)くわえ箸…箸を口にくわえたまま食器などを持つ。
(26)噛み箸…箸先を噛む。
(27)せせり箸…箸をつまようじがわりにする。
(28)立て箸…ご飯などに箸を立てる。
(亡くなった人に供える食事の意味がある)
(29)箸渡し…箸と箸で1つのものを挟み合う。
(遺骨を拾う動作を連想させる)
(30)違い箸…種類が違う箸を対にして使う。
こんなにたくさん!!と思われたことでしょう。
確かに私もそう思います…。
しかし、よく見ると「これは当たり前!!」と思うものが多くないでしょうか?
これらの嫌い箸は、昔から伝えられてきた大切な和のマナーです。
マナーは、お互いが気持ちよく付き合うための基本的なルールであり、そこまで難しいことではないのです。
子供たちが大人になった時に、恥ずかしい思いをしないように、そして素晴らしい日本の食文化を次の世代にも伝えていけるよう、日々の食卓から食のマナーを身につけていきたいものですね。