赤ちゃんの嗅覚はどうなっているの? 

2020.09.16 赤ちゃんのあれこれ

赤ちゃんは、毎日お世話をしてくれる人のにおいを覚えています。母親であれば母親のにおい、父親であれば父親のにおい、おばあちゃんやおじいちゃん、きょうだい、保育士さんなど誰なのか探っているのです。赤ちゃんは、五感を駆使して様々な情報を受け取っていますが、その中でも今日は赤ちゃんの嗅覚についてお話したいと思います。 


 

1. 嗅覚の発達 

① 胎児期 

赤ちゃんは、お母さんが妊娠中に食べたものの匂いに反応するといわれています。赤ちゃんは胎内にいながら匂いを感じ、生まれた後も覚えているということを証明した実験があります。 

 

2000年に、フランス国立科学研究センターで行われた実験で、出生直後の新生児に妊娠中にお母さんが食べた香辛料の匂いを嗅がせたところ、赤ちゃんはそのにおいの方向を向き、妊娠中食べていない女性の赤ちゃんは反応しなかったのです 。 

 

② 生後1週間 

生後すぐの赤ちゃんは、お母さんの体に乗せると乳首を探して吸い付いてきます。これは、母乳の匂いに惹き付けられていると考えられていますお母さんの片方の乳首をきれいに洗って水ですすぐと、7割以上の赤ちゃんが洗っていない乳首に吸い付くのです。 

 

③ 生後2週目 

生後2週間目の母乳で育てられている赤ちゃんに、お母さんの腋窩臭を嗅がせたところ、妊娠していない女性の腋窩臭を嗅がせたよりも反応する確率が高かったといいます。腋窩には、アボクリン腺といって外分泌腺があるため、誰でもにおいを発しています。この実験で、

母乳だけでなく腋窩から出る体臭も含めてお母さんのにおいを識別していることがわかりました。 

 

2. 慣れ親しんだにおいは安心感につながる 

赤ちゃんの嗅覚がいつからどのように発達しているのか詳しいことはまだわかっていません。しかし、 少なくとも妊娠7ヶ月目頃から羊水を通じて、お母さんの食事の匂いを嗅いでいることはわかっています。赤ちゃんの五感については、言葉を話せない赤ちゃんが体臭を通じてママとの信頼関係を築いているといわれています。 

赤ちゃんは、慣れ親しんでいるものにより安心感を覚えるものです。 実際に、生後1日目の赤ちゃんは、母乳よりも羊水のにおいに反応するのです。でも、だんだんと母乳のにおいに反応するようになります。 お母さんのにおいは、生まれた直後から抱っこされることで覚え、安心できるにおいとなっていくのです。 

 

お母さんが着用した母乳パッドと未使用の母乳パッドを置くと、着用した後に向かってハイハイをします。 赤ちゃんは、母乳の匂いがするガーゼやお母さんの匂いがするものが近くにあると、安心して眠れることがあります。 

 

一方、母親も赤ちゃんのにおいを嗅ぎ分けているという実験があります。 産後、赤ちゃんと60分間接した母親は、全員においだけで我が子を識別したという実験があります。 

 

3. 赤ちゃんの安心のために 

赤ちゃんが心安らかに過ごすために、人のにおいを感じられる環境にしてあげることも大切です。普段赤ちゃんが過ごす場所は、芳香剤や香水、タバコなどのきつすぎるにおいがしないように工夫しましょう。赤ちゃんは、五感を通して色々な情報を受け取っています。その一つがにおいです。親子がお互いを認識するのに視覚や聴覚からの情報が多いと思われがちですが、においも大きく関わっているのです。 

 

赤ちゃんが抱っこやおっぱいが好きなのは、身近な人により絶対的な安心感得られるからこそです。 母親だけでなく父親も祖父母も積極的に赤ちゃんと触れ合うことで、他にも安心できるにおいがあると認識していくでしょう。 

 

まとめ 

赤ちゃんの嗅覚の発達は胎児のときから機能しているのですね。生まれたあともにおいを嗅ぎわけているのです。できれば、 香水などにおいのきついものを使用せずに自然の体臭がわかるようにし、部屋の環境にも気をつけてあげるといいですね。 

 

 

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