幼児モンテッソーリの日常生活 前編

2020.08.27 モンテッソーリ教育

 モンテッソーリ教育法は5つの分野から成り立ちます。  

 1.日常生活 

 1.感覚教育 

 1.言語教育 

 1.数教育 

 1.文化教育 

以上の5分野です。 

今回は、日常生活の目的、具体的方法をお話しします。 

 

  • 目的

日常生活は 「環境への配慮」「自己自身への配慮」「社会への適応」「運動の分析と調整」など、人間形成の土台となる能力を身に着けます。 

  • 日常生活のプログラム

「環境への配慮」 

歩く、運ぶ、置く、掛ける、ほこりを払う、掃く、開け移し、折る、アイロンをかける、拭く、洗濯、磨く、集める、お茶のサービス、花の水替え、点滅、通園カバンをつめる、食卓の用意、食後の片づけ、庭園の仕事、指先の洗練 

 

「自己自身への配慮」 

鏡を見る、着脱、手を洗う、歯を磨く、鼻をかむ、靴磨き、ボタン、スナップ、蝶結びなど 

「社会への適応」 

戸の開閉、握手、刃物の受け渡し、どうぞとありがとうを使う、ごめんなさいと失礼します、他人の仕事を見る態度、散歩 

 

「運動の分析と調整」 

線上歩行、静粛の練習 

 

  • プログラムの実際

上記のように4グループの活動を子どもはモンテッソーリ教育施設で行います。 

人間の基本的な活動を学ぶのです。 

これらを大人は当たり前のように出来ていると勘違いをしやすいですが、果たして自分自身は、出来ているでしょうか? 

☑たとえば、鼻をかんだ後のティッシュを丸めてゴミ箱に投げ入れてはいないですか? 

☑ドアの開閉は音を立てずに出来ていますか? 

☑物にぶつからずに歩けていますか?足音を立てずに歩けますか? 

振り返ると、意外と出来ていないことばかりなのです。 

なぜできていないのか?それは育ってきた生活環境が原因しているからです。 

モンテッソーリ教育では、「幼児期の育ち」を重要と考え、今後必要である「日常生活」を子どもに提供します。 

 

ここでいくつか具体的な実践方法を紹介します。 

☆「運ぶ」 

用具・・・・・運ぶもの(子どもが持てるもの) 

提供法・・・・小グループの子どもに見せる 

子どもの活動・・・一人ずつ同じようにする 

活動の展開・・・・身体から話して籠を運ぶ 

         把手のある盆、把手のない盆を運ぶ 

         水差しを運ぶ 

         ばけつを両手で運ぶ 

興味点・・・・・・運ぶものに手をかける位置、音を立てない 

目的・・・・・・・独立心、集中力、意識的運動 

 

☆「戸の開閉」 

用具・・・・・子どもの手の届くところにあるドア 

提供法・・・・ドアにぶつからないところで立ち止まる 

       ドアを押して、または引いて開ける 

       左手でドアの把手を持ち向こう側へ出る 

       握った手をそのままドアを押し 

       握りなおして静かに閉める 

子どもの活動・・・姿勢正しくゆっくりと手の持ち替えが丁寧に見えるようにする 

興味点・・・・・・音を立てない 

目的・・・・・・・丁寧で品位ある戸の開閉、社会への適応、他人に対する尊敬、独立心 

         集中力 

 

  • まとめ

モンテッソーリの日常生活は先に記述したように多数あります。 

これらをモンテッソーリ教師は丁寧に子どもに提供します。 

モンテッソーリ教育は自由保育と考えている方も多いと思いますが、正しくは「規律のある自由」なのです。ですから、生きていく上での他人との社会生活、マナーを非常に重視しています。

幼児期より「日常生活」を身に着けていれば、今後大人になり自ら社会生活を行う上での糧にまることは間違いありません。 

多くの人間は、マナー、躾を完璧に子どもに指導をすることは困難です。 

ですが、モンテッソーリ教育では、テーブルマナーのように細かく子どもに指導をすることが可能です。 

子どもが片づけないで困る、家の中を走りまわるなど、家庭内での困りごとを抱えているお父さんお母さん。モンテッソーリ園や教室の門をたたいてみてはいかがでしょうか? 

それだけで、子どもの人生が変わるかもしれないですよ!