食中毒に注意!!夏の食品衛生のお話

2021.04.06 食育

これから暑さ本番になりますね。高温多湿になる夏は、一年の中でも特に食中毒に気を付けなければならない時期です。

食中毒にならないための食材の保管や調理器具の扱い方、また食事の際に注意するポイントなどをご紹介します。

■夏に多い食中毒原因

夏場に多くみられるのが「細菌性食中毒」です。

サルモネラ菌、カンピロバクター、腸管出血性大腸菌は、未加熱の肉や卵などから、黄色ブドウ球菌は生菓子や弁当、おにぎりなどから感染します。

感染すると、発熱や下痢、腹痛、嘔吐、倦怠感、血便などの食中毒症状が現れます。

■食中毒予防・5つのポイント

食中毒は、日頃の調理や食事時の心掛けで予防することが可能です。

その1【つけない】

調理時には手指の洗浄・消毒をこまめにしましょう。まな板や包丁などの調理器具は、使用後に熱湯やアルコールスプレー、漂白剤などで消毒し、よく乾燥させるとよいでしょう。

そして、意外と見落としがちなのが、台拭きや手拭きのタオル。 水洗いだけでは汚れから菌が増殖してしまいます。一日使ったものは、煮沸消毒や漂白剤に浸けるか、洗濯するようにしましょう。

また、「つけない」予防には、子供にも食事前の手洗いをしっかりさせることが重要です。サッと水洗いではなく、せっけんをつけてしっかりと洗う習慣を身につけてあげましょう。

その2【移さない】

食中毒の菌は、見た目や臭いで判断することが難しいものです。

そのため、 肉・魚類と野菜類、可能であれば、調理済み食品でまな板を使い分けることをおすすめします。こうすることで、食材同士の汚染を防ぐことができます。

使い分けが難しい場合には、食材を切るごとに、まな板と包丁をしっかり洗浄して使うという方法でもよいでしょう。

その3【増やさない】

多くの細菌は、10℃以下または60℃以上で増殖しにくくなります。(死滅ではないのでご注意を!!)

そのため、食材の保管には冷蔵庫を上手に利用しましょう。冷蔵庫の多くは「チルド室」というスペースがあると思います。

ここは、冷蔵室全体よりも、温度帯が低く、肉や魚、加工品などの保存に適しているスペースなのです。

ただし、低温で保管しているからいつまでも安心というわけではありません。肉魚類に限らず、食材は早目に使い切るように心がけましょう。

また、開け閉めによって庫内の温度は変化しやすく、食品が傷みやすくなってしまします。特に変化が大きいのはドアポケットの部分なので、牛乳などは注意が必要です。

しかしながら…小さな子供にとって冷蔵庫はすごく興味・好奇心をくすぐるもののようです。

色々なことに興味をもつことは成長のしるしですので、子供の気持ちを尊重すべきですが、だからといって、むやみに開け閉めして遊んでしまうのも困りもの…

そんな時にはいくつかのルールを親子で決めるとよいでしょう。

必要がある時にだけ開けることや、 食べ物が悪くなってしまうから長く開けているのはよくないことなど、子供が理解しやすいような冷蔵庫のルールを作ってみるのもおすすめですよ。

これも立派な食中毒予防の食育です。

その4【やっつける】

食中毒予防には、しっかりとした加熱調理が原則です。

食品衛生の観点からは「75℃・1分以上」で食材の中心部分まで火を通すようにといわれています。

これは、スーパーなどで購入した総菜類にもいえることで、加熱調理してあるものでも、念のため、食べる前に再加熱すること食中毒予防につながるとされています。

その5【期限を守る】

食品にはそれぞれ、「消費期限」または「賞味期限」が設定されています。この2つの違いをご存知でしょうか?

・消費期限…鮮度が落ちやすい食品に設定される、「安全に食べられる期限」
・賞味期限…保存がきく食品に設定される、「おいしさが保障される期限」

食中毒予防の点からは、特に「消費期限」が重要です。消費期限が切れたから全てが食中毒を起こすというわけではありませんが、安全性を考えると、肉などの生鮮食品は、消費期限内であっても、なるべく早く消費するほうがよいでしょう。

■子供と食中毒

原因菌に汚染された食品を同じように食べても、食中毒を発症する人とそうでない人に分かれます。

これは、その人の体力や免疫力などの健康状態に大きく影響されるためです。

子供は、大人に比べて体力や抵抗力が弱いため、少しの量でも発症、重症化しやすいのが特徴です。

夏休みなどは、生活リズムが乱れがちですが、三食しっかり食べる、早寝早起きするなど、規則正しい生活を心掛けることで、食中毒菌に負けない体づくりにつながりますので、親子で頑張ってみてはいかがでしょうか。

子供を食中毒から守るためには、日頃から調理や生活習慣の中での予防意識を高めることが大切です。

食中毒予防をふまえ、もう一度ご家庭の衛生習慣をチェックしてみるのもいいかもしれませんね。

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