②言語教育 

2020.12.24 モンテッソーリ教育

②言語教育

モンテッソーリの言語教育の分野で、前回は「語彙の拡充」と「書く」教具をお話ししました。今回は「読む」教具についてお伝えします。 

☆赤いかご 

・対象年齢・・・4歳半以上 

・指導法・・・・個別又はグループ指導 

・教具・・・・・赤い色を強調した小さいかごに、動詞の終止形を使用して動作を表す言葉 

       を書いて折って用意する。 

       鉛筆、カードの用紙、赤い紙、赤いかご 

・提供法・・・・子供に赤いカードに書いた言葉を黙って読んで、その通りにするように 

        伝える。<例>とぶ、すわる、たつ、ねる、はしる、はう、うたう等 

・興味点・・・・ことばの中に運動を表すものもあることに気づかせる。 

・直接目的・・・ことばを読む、黙読への導入で読書の初歩的技術として声を出さないで 

        読むようにする 

・間接目的・・・文法への導入 

・注意点・・・・カードには動詞以外のことは加えない。はじめは黙読を強制しない。

 

☆行動あそび 

・対象年齢・・・・4歳半以上 

・指導法・・・・・個別又はグループ指導 

・教具・・・・・・子供の読みを助けるために用意した赤い紙に何かの行動が一つ二つ、 

         三つ含まれているグループに分かれている。 

         1とをあける 

         2しずかにたってうたをうたう 

         3こくばんにじをかいて、よみ、けす 

・提供法・・・・1枚のカードをとり、黙読して動きを表し、そのカードを読む。 

        グループで行うときは、一人ずつカードを引き、読んだらたたみ、一人 

        ずつ順番に実際に行動してみる。見ている子供は何をしているか当てる。 

・活動の展開・・最初の行動遊びのカードは教師が作るが、後、子供たちが作るようにする。 

・直接目的・・・読んだことを理解する。特に主語と述語の対応に注意。 

・間接目的・・・文法への理解への準備。この練習で、子供の性格も発見することができる。 

☆正しく話す 

・対象年齢・・・4歳半以上 

・指導法・・・・個別又はグループ指導 

・教具・・・・・1動物の小屋 

         10~12対のカードで両方黒いカード 

         対の一方は動物の名前、他のほうは動物の住処が書いてある 

         きつね、あな、にわとり、とりごや、うし、ぎゅうしゃ、ことり、す 

        2動物の鳴き声 

         赤と黒のカードで黒には動物の名前、赤には動物の鳴き声をあらわす 

         言葉が書いてある。 

         うま、いななく、いぬ、ほえる、ことり、さえずる 

        3動物の群 

         動物の名前は黒、群れの呼び方は赤 

        4どんなことばが合いますか? 

         とり、とぶ、さかな、およぐ、ひと、あるく、へび、はう 

・提供法・・・・1組のカードを先に並べ、他の組のカードを下に順不同に並べる。 

        そして読んでみる。おかしいと思われる言葉はほかのカードから離して 

        おく。引き離したカードと合う言葉を探す。 

・直接目的・・・正しく話す 

・間接目的・・・文法への理解の準備 

             

  • まとめ

今回は「読む」ことのモンテッソーリ教具と提供法でした。いきなり文章を読ませて書くのではなく、体系的に提供が行われています。 

行動あそびでは、子供の性格も発見できると記してありますが、堂々と発表ができる子どもやそうではない子どもなど様々な特徴をこの活動を通して発見することができます。 

また子供自身がカード作りもするので、子供の行動の特徴が捉えやすいのです。 

もともとマリア・モンテッソーリは精神病院の医師ですから、この仕事に医師としての経験も生かされているのでしょう。この活動は心理テストでも使われます。 

「読む」仕事を通して文字に読み慣れていった子供たちは、いよいよ文章を作成することができるようになります。 

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