IB国際バカロレア教育とは
2020.11.12 モンテッソーリ教育文部科学省が推奨している国際バカロレア教育。世界ではメジャーですが、日本では、まだまだ認識度が低いです。
国立大学、インターナショナルスクール、私学では玉川学園や山梨学院などが小学校教育にも導入しています。
いま話題になりつつある国際バカロレア教育とはどのような教育なのでしょうか。
国際バカロレアとは
国際バカロレア機構が提供する、国際的な教育プログラム。1968年、総合的な教育プログラムとして、世界の複雑な仕組みを理解し、それに対応できる人間を育成することを目的としています。また、国際バカロレア認定資格を得ることで、大学進学へのルートの確保も可能となります。 (参考文献 文部科学省HP)
3歳~12歳を対象として、精神、身体の双方を成長させることを目的としたプログラム。英語のみならず、言語は自由。(1352校 国内20校)
11歳~16歳を対象として、青少年に、これまでの学習と社会を結ばせるプログラム。言語は自由。(1256校 国内9校)
16歳~19歳を対象としたプログラム。所定のカリキュラムを2年間履修し、最終試験を合格すると、国際的に認められる大学入学資格を得ることができる。
原則、英語、フランス語、スペイン語で実施される。(2964校 国内26校)
IB(国際バカロレアの理念)
国際バカロレアは多文化に対する理解と、尊敬を通じて、平和でよりよい世界の実現のために貢献する、探究心、思いやりのある若者の育成を目的とします。この目的の為、IBは、学校、政府、国際機関と協力しながら、高度な教育プログラム、および、厳格な評価を開発しています。IBのプログラムは、世界中の児童、生徒に対し、他の人たちを、その違いとともに理解し、自分と異なる人にもそれぞれ意味があることが分かる、行動的で共感する心を持つ生涯を通しての学習者となるよう働きかけます。
IBの学習者像
- 探究する人
- 知識のある人
- 考える人
- コミュニケーションが出来る人
- 信念を持つ人
- 心を開く人
- 思いやりのある人
- 挑戦する人
- バランスのとれた人
- 振り返りが出来る人
以上がIBの目指す生涯学習者となるべき、理想の人です。世界平和のために他者を理解し尊敬しながら、自分自身の意見も強く発信できるように教育していきます。
幼児教育施設でのIB普及
日本国内の幼児教育施設での国際バカロレア導入率は世界に比べて低いです。その理由は、 認定に至るまで、多額の費用がかかること 、IBのカリキュラムが、現在の日本の幼児教育のカリキュラムとは、大幅に異なるため、職員や保護者の理解を得るまでには至らないこと、幼児教育施設で認定できるのはPYPのみであるので、その先のMYP、DPまでには先へ結びつけにくいこと。DPまで取得できれば、世界各国の大学進学へのルートが確保できますが、PYPのみでは、大学までのルートが得られないのも現状です。
ですので、幼児教育施設でのPYPの取得は日本において、大変困難なのです。現在、日本では、英語を小学校でも始め、保育園や幼稚園でも英語の授業が導入されていますし、グローバル化が進んでいます。グローバル化に基づいて、文部科学省でもIBを推進し始めている段階です。 後、10年後には、幼児教育施設でのPYP導入は、ますます進むでしょうし、玉川学園のように、学校全体でIBに取り組む学園も増えるでしょう。
幼児教育施設でのIB授業内容
実際、IBでの授業は、どのようなことを行っていくのでしょうか。
幼稚園では、自由遊び、お集まり(歌、手遊び、紙芝居、絵本)、制作、合奏、お弁当など、小学校に入学するまでの最低限のことを身に付けます。
しかし、 IBでは、IB協会からのテーマが決まっています。それもおおまかな概念がテーマとなるので、そのテーマに沿ってカリキュラムを決定していくことが教師の役目となります。
IBでは、教科ごとに授業を分けるということがありません。日本では理科で「水」の性質を学びますが、 IBでは、水は社会、理科、国語、数などすべての要素に関連します。つまり、教科がないのです。テーマは1つで、1つのテーマを様々な視点から学び、学ぶ方法も教師と子どもで決定します。まさにIB教育は、今までの日本の教育とは異なった教育なのです。しかし、世界基準の教育なので、日本もグローバル化し、これからの教育方法も変わっていくのではないでしょうか。これからの教育も変化が楽しみです。