モンテッソーリ算数教育 後編

2020.10.15 モンテッソーリ教育

前回は、モンテッソーリ算数教育の数の紹介について紹介しました。 

数プログラム「数の紹介」では、0~10までの数量の一致を確実なものとするプログラムです。

10までの数量を習得した子どもは、次のステップへと進みます。それがプログラム2の十進法です。

10以上の数をどのように子どもに提供していくのか・・これからご紹介致します。 

 

☆ビーズの紹介 

対象年齢・・・4歳~5歳 

教具・・・

 ①1のビーズ1個、10のビーズ1本、100のビーズ9枚、1000のビーズ1個 

 ②1のビーズ容器3~4個 

   ビーズ用箱に1のビーズ9個、10のビーズ9本、100のビーズ9枚、 

                1000のビーズ9個、卓上用フエルトマット、じゅうたん 

提供法・・・・

机にマットを広げ、提供用お盆にビーズをのせて持ってくる。 

       提供は三段階の練習法を使用する。提供用お盆にはビーズが1、10、100、 1000が右から左に入っている。 

1.子どもの手に1のビーズをのせて、これは1です。10のビーズをのせて、これは10です。と、子どもと一緒に数える。 同様に100、1000とさわりながら、ゆっくり数えて提供する。 言葉に注意をして、これは1です。これは10です。と、数のみをつたえる。 

 2. こどもに、1はどれか?10はどれか?と尋ねる。 同様に1000まで尋ねる。 

  1. こどもに、これはなんですか?と尋ねる。 

子どもの活動・・・提供の通り 

興味点・・・・・・いつも1の単位から持ってこさせ、持ってきた数を言う。 

         位取りの準備として各単位の位置を覚えることが出来る。 

目的・・・・・・・単位の名前に親しみを持たせ、互いの間にある寸法の違いを感覚的に習得する。幾何への準備 

☆カードの紹介 

対象年齢・・・・4歳~5歳 

教具・・・・・・1~9まで緑で書かれた数字カード。 

        10~90まで青で書かれた数字カード。 

        100~900まで赤で書かれた数字カード。 

        1000~9000まで緑で書かれた数字カード。 

        練習用お盆3~4枚、じゅうたん。 

提供法・・・・・

        机の上で1,10,100,1000のカードだけ出して、読む練習を行う。 

        それからカードを全部出して紹介する。 

        1 子どもがすでに知っている1と10は一人で読ませる。 

         次のカードを示し、これは100です。と紹介する。 

         1000のカードも同様にする。 

        2 単位ごとに教師の言う数に相当する数をとらせる。 

        3 置いてあるカードの1枚を取り上げ、子どもに与えて読ませる。 

        4 1枚のカードを選ばせ、自分で読ませる。 

子どもの活動・・・提供通り。 

目的・・・・・・・覚えたばかりの新しい数字の読み方を熟知させる。数字を読む。 

         異なる位取りに慣れさせる。 

 

  • まとめ

十進法の提供により、子どもは数の世界は10以上も広がっていることに気が付きます。 

そして、数の世界へと、ますますのめりこんでいくのです。 

モンテッソーリ教育の数活動は、実際の量を知ることから始めるので、大きい数の紹介も、先ずはビーズで量を提供します。その後、カードの紹介をし、カードとビーズを一致していきます。

1000は、これだけ大きい。重い。ということを手に取り体感した子どもは、100は1より大きくて重いが、1000より小さくて軽い。ということを認識していきます。 

そして新しい言葉の敏感期にもあるので、100、1000という言葉も喜んで使います。 

現在の学校教育では小学校3年生になり、はじめて100以上の数に出会います。 

しかし、モンテッソーリ教育では、4歳半頃から100以上の数に出会い、それに親しむことができます。まだ小さいから、そんなに大きな数を知らなくても良い。と考える大人が多いとは思いますが、子どもは未知の世界を知りたいのです。そして学びたいという欲求があります。モンテッソーリ教育のように、まず具体物から知ることをはじめれば、子どもに無理強いすることなく、数を習得することができるのです。