気になる栄養ワード「カロリーゼロ」
2020.07.20 食育気になる栄養ワードでは「聞いたことあるけど詳しくは知らない」「気になるけどいまいちよくわからない」というような、栄養に関するキーワードをピックアップ。
今回は某お笑い芸人さんでもおなじみとなっている「カロリーゼロ」について解説します。
また、ちょっとにているワードの「カロリーオフ」なども織り交ぜて解説していきたいと思います。
そもそも「カロリー」とはどういったものだと思いますか?
「太る原因!!」なんてイメージもあるかもしれませんね(笑)間違いではないのですが、カロリーは私たちが生きる上で欠かせないものでもあります。
カロリーとは「エネルギー量」のことで、私たちが体を動かしたり、体内の様々な器官を動かしたりするために必要なものです。
体格や年齢、活動量によって必要なエネルギー量は違ってきます。
適切なエネルギー量であれば太ったり痩せてしまったりということはありません。
つまり、カロリーは適切に付き合えばダイエットの敵にはならないということです。
食品の中には「カロリーゼロ」とされているものも色々ありますね。
でもだからといって完全にカロリーがゼロであるとは限らないのです…。
これには、栄養成分の表示ルールが関係していて、「カロリーゼロ」と表示できるのは「100g(ml)あたり5キロカロリー未満」とされているため。
例えば、カロリーゼロと表示されている飲み物でも100mlあたり4キロカロリーということもあり得るのです。
つまり、この飲み物を500ml飲んだ場合、20キロカロリーの摂取となります。
そのため、「ダイエット中だけどカロリーゼロだから大丈夫!」と思って、カロリーゼロ食品をたくさん食べたり飲んだりすると、かえってエネルギーの摂りすぎになりダイエットに逆効果となる場合も…。注意が必要です。
「カロリーゼロ」の他、「ノンカロリー」という表示も同様の意味となります。
カロリーゼロが実はゼロじゃないこともあるとお話しましたが、では、似ているもので「カロリーオフ」はどうでしょうか?
「カロリーオフ」は、「100gあたり40キロカロリー以下」「飲み物の場合は100mlあたり20キロカロリー以下」という基準で表示されています。
「通常の食品よりもカロリーが低い」という意味でいえば、こちらはイメージどおりという人も多いのではないでしょうか。
「カロリーオフ」の他、「低カロリー」「カロリー控えめ」「カロリーライト」などの表示も同様です。
さらに、食品によっては「従来品と比べカロリー〇〇%オフ」なんてものも見かけますよね。
これにも表示基準があり、従来品を100%として、そこから25%以上の低減がないと「カロリー○○%オフ」の表示はできません。
「○○%カット」や「○○%減」も同様です。
食品のカロリーを抑えつつおいしさを保つため、特に甘味については、甘味料とよばれる成分が使われます。
甘味料の代表は砂糖ですが、1gあたり4キロカロリーのエネルギーがあるため、カロリーを抑えるには向いていません。
そこで、人工甘味料といったものが使われるようになります。
これらは、砂糖の何百倍もの甘さをもつものが多く、微量で砂糖並みの甘味を出すことが特徴です。
これら人工甘味料の使用が結果としてカロリーを抑えることにつながっています。
(人工甘味料については「糖質ゼロと糖類ゼロ」の回でさらに詳しく解説していますので、ぜひご覧ください!)
年齢を問わず、健康志向やダイエット志向の高まりによって、カロリーを抑えた食品はどんどん増えています。
子供達が口にするお菓子や飲み物にもその傾向は現れており、子供の食べるものを選択する大人の配慮が必要です。
カロリーゼロの食品がよくないということではありませんが、その基準、メリット・デメリットを把握した上で、適切な利用を心掛けることをおすすめします。