1歳のモンテッソーリ 

2020.07.16 モンテッソーリ教育

1歳になると、歯も生え揃い、食事も始まり、歩行も楽しくて仕方がない活発な時期に入ります。お家の中でも、大人の目から見て「いたずら」とうつる行動も多くなります。 

出したり引っ張ったり落としたり・・・。そんなときに子どもの育ちに効果的な教育。それは、モンテッソーリ教育です。 

モンテッソーリ教育は子どものこうした行動を「いたずら」とは捉えません。むしろ、子どもの「生命衝動」と捉えます。 

この「生命衝動」があるからこそ。子どもは成長をしていくのです。 

では実際に、どのような「いたずら」といわれる子どもの行動があるのか、そしてその対策方法を見ていきましょう。 

 

☑出す、落とす

子どもは引き出しを開けて、その中のものを出すことが大好きです。

とにかく出したいのです。 マリア・モンテッソーリは、子どもの「出す」行動に着目し「引き出し付き玉入れ」「引き出し付きコイン落とし」などの教具を考案しました。引き出しを開けて、玉やコインを出し、穴に落とす。ひたすらこの活動を繰り返すことが出来る教具です。 

家庭では、子ども専用の引き出しを作ると良いです。

引き出しを開けると、キラキラしたきれいなものが出来てきたり、ボールや玉が出てきたり・・ 1歳後半になると、引き出しの中に自分の洋服やタオルを入れましょう。この時期から片付けも身に付きます。服を自分で選ぶことも自立につながります。 

0歳から見られる、落とすという行動は1歳になっても続きます。

例えば公園のマンホールの隙間に、棒切れをひたすら落としたり、フェンスに棒や石を入れてみたり。という行動を見たことはないでしょうか?

これも、モンテッソーリ教育では「いたずら」とは捉えません。前述の「引き出し付き玉入れ」など、モンテッソーリ教具は「落とす」仕事がたくさんあります。落としたい時期には、心行くまで落とすことが、こどもの成長につながります。 

☑開ける

お母さんが、玄関のカギを開けて部屋に入る。扉を開ける。この行動を、子どもは観察しています。そして自分で開けてみようと試みます。しかし、手が届かない・・・。 

そんなとき 癇癪を起して泣いたりわめいたり。出来ないのですから、当たり前です。 子どもは、言葉が十分に話せないのですから。 

そんなとき、子ども専用のカギ付きボックスを用意してみてはいかがでしょうか? 

カギを差し込んで回し、引き出しを開ける。中には、子どもの大切な物を入れておきます。 

そうすることで、この箱は自分だけのもの。という満足感を得ることが出来ます。 

カギの差し込みと開け入れは手先の洗練にもつながります。 

☑ゴミ箱が好き!

赤ちゃんの頃からゴミ箱に興味津々で、ハイハイをしては、ゴミ箱をひっくり返したりしていませんか?そのたびにお母さんは、ゴミ箱を高いところに撤去する。この繰り返しではないでしょうか。 

1歳になると歩行も可能となり、物の持ち運びも楽しい時期。 

そんなとき、自分の出したゴミを自分でゴミ箱捨てる。これだけで、立派な子どもの仕事になります。例えばおむつ替えのあとは自分でおむつを捨てに行く。鼻をかんだティッシュを捨てるなど、子どもにさせてみてください。 

自立への一歩につながります。 

 

☑重いものを運びたい!

1歳の子どもは、とにかく重いものを運びたい時期。大人はなるべく重いものを運びたくはないですが・・。苦労を苦としないのはこの時期だけの特徴です。面倒な仕事を自ら進んでやりたがります。 

そんなとき、 2リットルのペットボトルを運んでもらったり、1キロ程度のお米を運ばせたり、お母さんの面倒な仕事を積極的に手伝ってもらってください! 

2歳に入ると、次第に重いものは持ちたがらなくなりますから、今だけの限定お仕事を親子で楽しんでください。 

 まとめ

いろいろやりたいことが増えてくる1歳。この時期の特徴は、とにかく大人が面倒だと思うことを積極的にやりたがります。 

子どもに手伝ってもらえれば助かることもたくさんあります。 

子どもが一人でゴミを捨てたり重いものを運んでいるときは、暖かく見守ってあげましょう。そうすることで、子どもは満足感を覚え、「自分で出来た!」という充足感から自己肯定感が芽生え、自立へとつながります。  

この時期の家庭の工夫で、今後の自立は大きく変化をします!