お雑煮津々浦々
2021.01.04 食育新年あけましておめでとうございます‼
今年も、「食は人を良くする」をモットーに、子育て中のママに役立つ食育情報をお届けしてまいります。どうぞよろしくお願いいたします‼
さて、新年最初のテーマは、お正月らしく「お雑煮」です。皆さんのご家庭ではどんなお雑煮を召し上がっていますか?今回は、お雑煮から日本ならではの食文化についてお話していきたいと思います。。
*地域…家庭…千差万別のお雑煮*
お雑煮は地域によって様々なものがあり、さらに各家庭によっても味や材料、作り方は異なるので、一口に「お雑煮」と言っても千差万別。
我が家の場合は、私が東北地方出身、夫が関東地方出身なのですが、夫の父が毎年作ってくれていたお雑煮がベースになっています。
すまし汁仕立てで、餅は焼かない角餅、具材はナルトと青菜(小松菜)のみ。至ってシンプルなお雑煮です。
一方、私の実家では、改まって「お雑煮」というものがありませんでした。
強いて言えばニンジンやダイコン、ネギ、サトイモなどを具沢山に入れたけんちん汁に餅を入れた「けんちん餅」がお雑煮的なものだったのかもしれません。
ご家庭によっては、両家の味を一年交代で食べたり、関東出身だけど関西風の味が好みで徐々にお雑煮が関西風に変化していったというハイブリッドなご家庭もあるようですね。
*餅は「ハレ」の食べ物*
古くから、日本では、お祝い事や特別な日には餅を食べる習慣があります。
餅には神様が宿るとされており、お雑煮も無事に新年を迎えることができた感謝や一年の健康、家内安全の祈りを込めて食べ継がれてきた食文化なのです。
*西は丸餅、東は角餅*
お雑煮の地域性をみてみると、西日本ではお雑煮に丸餅を使う家庭が多く、東日本では角餅が多いそうです。
西日本で多く使われる丸餅は、丸い餅に「家庭円満」を願ったためといわれています。
一方、東日本に多い角餅は、江戸の町人たちが、1つ1つ餅を丸める手間を省いて、手っ取り早くお雑煮作るために、角餅にしたという説が有力です。
また、餅を焼くか焼かないかも地域や家庭ごとに違うようですね。
*汁はすまし仕立てが多い*
お雑煮の汁も地域によって異なりますが、すまし仕立ての地域が大半のようです。
すまし仕立て以外の地域、例えば近畿地方では白みそ仕立て、出雲地方や能登半島では小豆汁仕立てというお雑煮もあります。
ここまで、一般的に知られている各地のお雑煮をご紹介してきましたが、いかがでしたか?
お雑煮は決まったレシピはないので、食べる家族が「おいしい‼」と思ったものがそのご家庭の立派なお雑煮です。
お正月はご家庭でぜひ、オリジナルのお雑煮を楽しんでみてくださいね。
*家族でお雑煮を囲むということ*
家族で一緒にお雑煮を囲むということ、それは食育的な観点からもとても大切なことなのです。
子供たちへの食育で重きを置かれている1つが「食文化の継承」。
日本には「和食」という、世界に誇る唯一無二の食文化が根付いています。
しかし、ライフスタイルの変化や多様な食文化が流れ込んでいる現代は、その伝統的な食文化が軽んじられ、継承されにくい傾向にあります
親から子へ、子から孫へと伝え残していく食文化には、単に味を伝えるだけではない、大切な意味があるのです。
昔の人々やご先祖様がその食文化に込めた心をつないでいくということ。
これから広い世界に羽ばたく子供たちに、素晴らしい食文化がある国・家庭で生まれ育ったという誇りと自信を持ってもらうこと。
これが子供たちへの食育において「食文化の継承」が重要課題とされている理由なのです。
また、食育云々ではなくて、シンプルに考えてみても、一年の節目節目に家族で日本の食文化を経験することは、家族の絆を深めるよい機会になることは一目瞭然かと思います。
かしこまったお雑煮でなくてもいいのです。
大切なのは、誰とどこで食べたか、どんな味だったか、どんな香りがしたか、子供の記憶に残るお雑煮であることが何よりも大切。
お雑煮も日本の素晴らしい食文化の1つです。今年の「食育初め」としてぜひ、今回ご紹介したお雑煮のあれこれを話題にしながら、ご家族で召し上がってみてください‼