モンテッソーリ感覚教育2 

2020.12.17 モンテッソーリ教育

モンテッソーリの5分野のひとつ「感覚教育」について以前もお話しをしてまいりました。 

今までは、視覚に働きかける教具についての紹介が主でした。 

今回は触覚に働きかける教具をお伝えします。 

☆触覚板 

・対象年齢・・・2歳半~3歳半 

・指導方法・・・個別指導 

・教具・・・・・【第一の板】 

長方形を二等分して半分は滑らか、他の半分は粗い感触になっている。 

・提供方法・・・1左手で板を押さえる 

        2右手指先で軽くゆっくり上下へ滑らかな板をなぞる。 

        3同じように粗い板もなぞる。 

・注意点・・・・手の動きは極めて繊細で表面に触れるのは指先の最も鋭敏な部分のみ。 

        この板を十分に練習してから2の板にうつる。 

・教具・・・・・【第二の板】 

        滑らかさと粗さが縞状になっている。 

・提供方法・・・1第一の板と同様に行う。 

        2縞状になっているので二本指でなぞる。 

        3練習中にすべすべざらざらの言葉を教える。 

・教具・・・・・【第三の板】 

        粗さと滑らかさが交互に縞状になっている。粗さの違いが感じられる。 

        1次第に粗くなっていくのを感じる。 

        2二本指でなぞる。 

・教具・・・・・【第四の板】 

        滑らかさと粗さが縞状になりながら滑らかさの違いが感じられる。 

・提供法・・・・1次第に滑らかになっていく。 

        2二本指でなぞる。 

・子供の活動・・1出来るだけ軽く表面に触れるようになぞる。 

        2練習が済んだら軽く目を閉じて触れる。 

・使われる言葉・・すべすべ、ざらざら 

・直接目的・・・触覚の洗練、軽く触れることで筋肉運動の調整につながる。 

・間接目的・・・書くための準備 

 

☆ひみつ袋 

・対象年齢・・・3歳~6歳 

・指導方法・・・個別指導 

・教具・・・・・美しい魅力的な袋に立体識別に使う小物が8個~12個入っている。 

        予期しないものが出てくると、より楽しくなる。 

        例えば鍵、ビー玉、石、くるみ、ボール、貝殻など。 

        中身は時々入れ替える。 

・提供法・・・・ほかの種類の識別活動として最後に提供をする。 

        1袋の中へ手を入れて中の一つを手で確かめる。 

        2名前をはっきり言ってから出す。 

        3間違わなかったらもう一つ取り出す。 

・子供の活動・・提供通りに行う。 

・活動の展開・・ほかの種類の秘密袋と並行練習をして行われる。 

        1同質で形の異なる物入り 

        2同形で質の異なる物入り 

        3質も形も異なる物入り。対にする。 

・使われる言葉・・袋の中のものの名前 

・興味点・・・・のぞかない、物を出す前に名前を言う。中のものを時々取り換える 

・直接目的・・・立体識別感覚の発達、深さの認識、筋肉記憶、触覚、温覚、圧覚、冷覚 

        の発達 

・間接目的・・・感覚の孤立に慣れる 

☆重量板 

・対象年齢・・・2歳半~3歳半 

・指導方法・・・個別指導 

・教具・・・・・3つの区切りのある木製の箱に10枚ずつ重さの異なる長方形の板が入っている。 

・提供法・・・・教師も子供も活動の前に手を洗う。手を洗う理由は血液の循環をよくし 

        知覚をよくするためである。 

        軽い、重い対照的な板だけを使う。 

        11枚ずつ子供の両手にのせる。 

        2軽く、ゆっくり、バランスをとって確かめる 

        3重い板を右に軽い板を左に置く 

・子供の活動・・提供通り 

・使われる言葉・・重い、軽い、中くらい 

・直接目的・・・重量感覚の発達 

・間接目的・・・感覚の孤立化に慣れる 

        感覚、身体、精神の供応動作が発達する 

 

  • まとめ

 触覚に刺激を与えるモンテッソーリの感覚教具。大人は日々の生活の中で、触覚に鋭敏になることはありません。

しかし子供は、触覚器官を鋭敏に感じ取りそれらを整理づけています。 大好きな毛布を触ったり、重いものを喜んで運んだり、触れるものの触覚を心から喜んで感じ取っています。 

そのような感覚器官に刺激を与える教具を提供できるのはモンテッソーリ教具のみではいでしょうか。