【第1弾・卒乳】「いつ卒乳するか決めないとダメ?」
2020.11.04 赤ちゃんのあれこれ子どもが1歳半頃になるのを目処に卒乳の相談をされる方が多くいらっしゃいます。一般的にみてもこの時期に卒乳する方は多いようです。でも、卒乳する時期を決めなければならないことはありません。
純粋な卒乳は「子どもが自然に母乳を飲まなくなること」をいいますので、子どもが決めます。「親がおっぱいをやめたいと思ってやめること」を断乳といいます。
今回は、親が卒乳を考える1歳〜1歳半頃の卒乳の理由とその考え方について紹介します。
1. 親が1歳半くらいで卒乳したほうがよいのではないかと考える理由
1歳〜1歳半頃に卒乳を考えるお母さんは多いようです。それはなぜでしょうか。次にまとめてみました。①〜④までは赤ちゃんの成長が理由になっています。⑤〜⑦は家庭の事情です。⑧〜⑨は、赤ちゃんの養育上の理由があがっています。
① 離乳が完了する頃だから
② 赤ちゃんではなくなったから
③ できることが増えてきたから
④ 話せるようになってきたから
⑤ 周囲から「まだ母乳を飲んでるの」というプレッシャーがあるから
⑥ 次の子どもがほしいから
⑦ 仕事に復帰するから
⑧ しつけ上良くないのではないかと思うから
⑨ 虫歯になると思うから
以上が、親がもう卒乳しても良いのではないかと感じる理由です。また、家庭の事情で次の子どもや仕事復帰なども卒乳理由によく挙げられます。
2. 卒乳理由についてどのように考えたら良いのか
1歳半が卒乳に適しているのではないかとされる理由を、ひとつずつどういうことなのか、卒乳する上で妥当な考え方なのかどうかも合わせて解説していきましょう。
一般的に、1歳から1歳半頃に離乳が完了するとされています。離乳が完了するということは、ほとんどの栄養を食事から摂ることができるという意味です。身体の栄養的には、母乳やミルクはなくても大丈夫ということになります。
では、離乳完了期以降の母乳はムダのものになるのかというと、そうではありません。この頃は、外遊びや自分で移動できることから、良い刺激を受けることになります。 たくさん冒険して、刺激を受けると安全地帯が必要になります。それが母乳なのです。身体の栄養から心の栄養として役割が変化していくのです。そのため、食事がいくら進んでいても、母乳はムダなものにはならないのです。
厚生労働省の「平成22年乳幼児身体発育調査」によると、1歳半にもなると、身長約73−85cm、体重約8−12kgとずいぶん体格も良くなってきます。赤ちゃんと呼ぶには躊躇してしまいますね。この見た目から、もう卒乳しても良いだろうと感じるのでしょう。身長や体重などの体格に問題なければ、卒乳を進めても大丈夫です。
1歳半だと、発達が進みできることも増えてきますね。例えば、立って歩く、ご飯を自分で口に運ぶ、一人でも遊べるようになるなど、目覚ましい発達を遂げているところです。母乳を飲んだり哺乳瓶でミルクを飲んだりしている姿に、違和感を抱くこともあるかもしれません。そんなときには、卒乳の方へ進んでも良いかもしれませんね。
1歳半頃には、一般的に単語で言葉を発することができるようになっています。ある程度の意思の疎通ができると、やはり赤ちゃんではないという印象を持ち、卒乳しようと考えるのではないでしょうか。母乳を終わりにするかどうか子どもに聞いてみても良いかもれません。
まとめ
卒乳理由には様々なことがありますね。その解釈としてどのように考えるのか、道標になることを説明しましたのでぜひ参考にしてください。第2弾では、⑤〜⑨についてお話します。
【参考文献】
「平成22年乳幼児身体発育調査」 厚生労働省
https://www.mhlw.go.jp/toukei/list/dl/73-22-01.pdf