モンテッソーリの言語教育
2020.09.24 モンテッソーリ教育人間が他人とコミュニケーションを取るツールとして
☑「話す」
☑「書く」
☑「読む」
ことは必須です。
また、他の生物と人間の違いは、「言語」を操作することです。
つまり人間社会に「言語」は欠かすことのできないものです。
マリアモンテッソーリは幼児期からの「現在教育」を提唱しています。
このことが「早期教育」と捉えられてしまうこともあります。
赤ちゃんは一歳を過ぎると0歳のときに両親や周囲の環境から浴びていた言葉を発するようになります。これは、子ども自ら主体的に「言語」を学んでいるからです。
つまり幼児期は「言語」を学びたいのです。
ですから「早期教育」と単に決めつけることは如何なものでしょう。
マリアモンテッソーリは、子どもの「言語を学びたい!」という内なる欲求に応えるべく言語教材を考案しました。
では、実際に、どのような言語教材があり、子どもに提供をしていくのか。早速見ていきましょう。
言語教育プログラム
1 語彙の拡充(写真ホルダー、絵合わせのカードなど)
2 書くための間接準備(音さがし、ことばさがし)
3 書くための直接準備(砂文字、鉄製はめこみ、移動五十音)
4 書き方の実際(升目のある紙、小さい黒板、なぞり文字板)
5 書き方の完成(拗音、直音などの紹介、二色の移動五十音)
6 ことばを読む
7 文を読む
8 品詞の役割
9 文法
10 統辞法
11 単語の勉強
プログラムの実際
教具…具体物、具体物とその写真
提供法…カードを並べ、その上に具体物を置く。その後、名称レッスンを行う。
具体物は、身近にあるものがよい。(野菜、果物など)
目的…語彙の拡充、二次元と三次元の理解
教具…子どもの知的欲求を満たす絵カード。カードは一セット6枚~9枚。二組から成る。
一組は物と、その名前のついたカード。もう一組は物のみで名前がついていない。
あわせて、文字のみのカード。
カードのサイズは基本14㎝×14㎝。文字カードは14㎝×3㎝。
提供法…絨毯を敷き、教師は子どもの右側に座る。一枚ずつカードを取り出し、名前を言いながら並べる。名前のわからないカードは後から三段階のレッスン法で教える。
次に名前のないカードを出して同じように絵のカードの下に置く。
最後に文字のみのカードを名前のないカードの下に置き完成させる。
三段階のレッスンを行う。
子どもの活動…絵の同一性に気づく。正しい名称を知る。読むことの練習。間違いの訂正を学ぶ。
目的…知的欲求を満たす。語彙の拡充。物には名前があり文字があることに気づく。
自立心。
まとめ
モンテッソーリの言語活動は「物とには名前があることを知る」ことから始まります。
自分 の周りにある物には名前があることに気づくと、子どもは周囲のあらゆる事柄や物に興味 を示します。
「あれは何?」と何度も聞いてくる子どもの姿を見たことがありませんか?
「あれは何?」と言っている子どもこそ、まさに言語の敏感期なのです。
マリアモンテッソーリは、その子どもの欲求に従うべく教具を考案しました。それが
「絵合わせカード」です。
モンテッソーリ教育では、文字の読み書きを五十音から教えることはしません。
あくまでも子どもの身近にあるもの。即ち、物には名前があり、文字があることの紹介から入ります。
そうすることで、子どもは読み書きに興味を示すのです。
文字の存在を知ってから、五十音の読み書きを提供します。
そして品詞の役割を学び、文章構成へと導きます。
このように系統立てて言語教育を学ぶことが出来る幼児教育はモンテッソーリ教育のみです。
年長になると大抵の子どもが、作文を構成出来るようになります。
子どもの興味と敏感期に合わせた言語教育の集大成です。
小学校入学後も国語では苦労知らずな児童に成長することでしょう。