赤ちゃんが自分の手ばっかり見ている!どうして?
2019.09.13 赤ちゃんのあれこれ生後2-3ヶ月頃になると、赤ちゃんは自分の手をじーっと見たり、手をなめていたりすることがよくあります。
親は、赤ちゃんのこの仕草を不思議に思っていることが多く、
「よく手を見ているのですが、どうしてですか?」
「よく手をなめているのですが、おなかがすいているのですか?」
と質問をよく受けます。
これは、「ハンドリーガード」といって、生後2ヶ月ほどの赤ちゃんによく見られる発達の一つなんです。このお話を親御さんにするとだいたい皆さん、「へええ、そうなの?」とびっくりされます。今回は、このハンドリーガードにまつわるお話をします。
1.ハンドリーガードの意味は何?
赤ちゃんが自分の手を目の前にかざして、じーっと見ているときに、何を思っているのでしょう。
「これなにかなあ」と、なんとも不思議そうな面持ちで、角度を変えてみたりなめてみたりしています。
この仕草をするまで赤ちゃんは、自分に手があることを認識していないのです!
生後2ヶ月頃の赤ちゃんは「これが私の手かあ」「そうか、こんなふうになっているんだ」と、自分に手があることを認識できるようになると言われています。その行動を「ハンドリーガード」といいます。
赤ちゃんは、目で見るように口でものを確かめます。目で確認できるようになると、その手(多くは握ったままです)をそのまま口に入れようとするんです。
拳が大きいため口に入らないこともありますが、拳のまましゃぶっていることもあります。なんともかわいい仕草ですね!
この可愛い仕草には、段階があって重要な意味
があるのです。順番に説明していきましょう。
2.身体は大きな動きから細かい動きへ発達する
赤ちゃんの手の発達は次のように進んでいきます。
手掌把握 | 生後5ヶ月頃から手のひら全体でものを包んで握ることができるようになる。 |
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指先把握 | 生後7月月頃には、指先だけでものを掴むことができるようになる。 |
ピンチ状把握 | 1歳近くには人差し指と親指の先で小さなものをつまめるようになる。 |
ピンチ状把握ができるようになると、その後は箸を持ったり紐を結んだりする動きにつながっていきます。
身体の発達は、まず身体の大きな動きができるようになってから、微細な運動ができるようになっていきます。
例えば、1ヶ月までの赤ちゃんの場合、刺激に対して体全体で反応します。それがいずれ、足は足の発達、手は手の発達と言うように局所化していきます。
「首がすわる→支えてお座り→一人でお座り→はいはい→つかまり立ち→歩く」という、頭部から尾部へ発達方向もあるのです。
3.次は自分の意思で手を伸ばしてものをつかむ
このように手の動きがスムーズになってくると、次は目の前にあるものを手を伸ばして取るようになります。これを「リーチング」といいます。
これができるようになるには、
生まれた当初はできないけど、生後5ヶ月頃になるとリーチングができるようになるんです。
このリーチングは、「ほしいものを得る」という目的と「手を伸ばして取る」という手段が、意図的にできるようになったという点で、赤ちゃんの発達にはとても需要なポイントであるとされているんですよ。
生後5ヶ月という小さな赤ちゃんが、ほしいと思って手を伸ばして一生懸命にものを取ろうという行動をしているなんて、微笑ましいですね。
取ってあげたいけど、赤ちゃんがやりたいようにしてあげるのも親心です。
まとめ
赤ちゃんは、生まれたてのときには自分に手があることを知らないのですね。
2ヶ月を過ぎる頃に自分の手をじーっと見ていたら、手の発達の始まりだと思って見守ってあげてください。
すぐにハンドリーガードの時期は過ぎてしまいますので、親もその仕草を楽しんでみてはいかがでしょうか。
【参考文献】
「図解雑学 発達心理学」山下富美代 編著 ナツメ社